知識と技術と想像力

Qualis_logo.png
株式会社 オリス

2010.9.29

IMG_2747.JPG

上棟

 予定では28日の建て方だったのですが、前日からの雨とさらに下り坂という天気予報の為、順延しました。爽やかな秋晴れの空の下で上棟できて何よりでした。IMG_2743.JPGIMG_2741.JPG
 昨晩、いつものように塀束をこしらえて神棚に供え、怪我や事故のないように祈願しました。その甲斐あってか無事に上棟式を迎えることが出来て、ひと安心です。夕方までかかってしまいましたが、こういう心地よい疲労感は悪くないです。これから来年3月の竣工に向けて、皆と力を合わせていきたいと思います。

2010.9.26

IMG_2700.JPG

土台敷き

 25日の土曜日、土台敷きをしました。かねてよりステンレス製の基礎パッキンが気になって、メーカーさんに問い合わせをして検討していましたが、今回の現場で採用に踏み切りました。わざわざ製造メーカーの社長さんが自ら商品を納品しに見えられて、素材や独自のプレス機械の話、保険関係の説明を事細かにお話してくださりました。町工場の親父さんという感じの方で、個人的にもこういう人に対して好感を持ってしまいます。
IMG_2701.JPGIMG_2304.JPG
 ネコ土台とも呼ばれるこのパッキンは、布基礎を傷めずに床下換気ができ、土台を湿気や腐れから守り、腐朽菌やシロアリからの被害を抑制することで、10年くらい前から普及し始めました。しかし実は昔からこの工法は先人の知恵としてあり、石や栗材が使われてきました。今では20mm厚の樹脂製がポピュラーですが、素材の厚みがアンカーボルトの耐力を弱体させる件、耐火性の問題等があり、今回採用を決めた9mmのステンレス製品はこれらをクリアしています。詳細はこちらから。ネコニカQ
 先行足場かけの後、28日に建て方、29日上棟式の段取りです。

2010.9.22

IMG_2685.JPG

緊急工事

 19日の日曜日、休暇滞在先で(株)ホンダ塗装の社長より電話があり、今塗り替え中の現場で、木製雨戸一筋敷居の付け替えをして欲しいとの依頼を受けました。現場を見てから判断すると返事をし、早速昨日の夕方現場調査、即見積り提示。そして今日、午後から施工してきました。彼岸の中日でもある明日からお天気が芳しくなく、施工は今日を逃すと上棟も控えており、当分無理でした。お互いに無理な注文をし合う間柄ですが、こういう場合は貸しです!
IMG_2684.JPG 本来なら後付けのアルミ雨戸一筋サッシに全交換がお勧めですが、全部で7箇所もあると結構工事費は嵩みます。それで戸袋から出ている一筋敷居のみの交換にしました。やった事がある大工さんなら判ると思いますが、こういう仕事は実に大変なものです。
 水抜きをつくり、アルミ平レールを納め、既存の雨戸、網戸、ガラス障子の調整をするまでが仕事なのです。こういう仕事こそお客様にも見ていただければ、仕事内容を把握して頂けると思います。逆に結果しか見ていないと、何でこんな工事代金なのと懐疑されてしまいそうです。

 私が建築の仕事を始めた当初は、ほとんどの家の窓はこの木製雨戸一筋戸袋だったものでした。大工の手練はこのあたりのこしらえ方で良く判るものです。
 戸当たり側板に雨戸の厚み分の戸じゃくりをする大工。雨戸の脱着の為に、鴨居の一部を深くして溝加工をする大工。戸袋の引き手かかりの穴加工形状や、雨水の逃げ加工の施し方に凝る大工。
 大工にとっては自分の手掛けた家だという印にもなるところなので、力も入ったことでしょう。今は逆にこういう仕業は咎められるかも知れませんね。

2010.9.21

IMG_2663.JPG

「伝統を語るまえに」

 このブログでリンクしている下山氏から、表記タイトルの配布用CDが届きました。氏のブログで、希望者には送料のみの負担で配布するとの記事があり、早速お願いしたところ、本日届きました。プリントアウトしましたが、全部で348ページにものぼる資料で、画像では判りづらいですが相当な厚みです。

   添付している案内文より
 このデータを基に、まわりの皆さまに(建築関係の方がただけではなく、一般の方がたに)、「事実」を事実としてお話いただければ幸いです。私は、多くの方がたが「事実」を知ることが大事だと考えています。

とありましたので、それでも氏が「私家版」と称している、建築史から読み解く知恵と技術と知識の解析本を告知致します。特に木造建築を生業とするものは是非一読あれ。

2010.9.15

IMG_2607.JPG

基礎養生中

 浦和の現場は立ち上がりの生コンを打設し終えて、シート養生中です。土台敷き用の墨出しをし、遣り方を撤去して周りの盛土、整地まで完了しました。これから外部先行の排水配管工事に取り掛かるところです。
IMG_2572.JPGIMG_2587.JPG
 今回の現場は度重なる道路冠水があった為、基礎打継ぎとセパ金物周りに止水処理をしました。水膨張性のシーリング材です。

 基礎は打ち放し仕上げです。生コン打設時には勿論バイブレーターもしっかりかけましたが、さらに基礎表面のジャンカを予防する為に気泡カッターを板金屋さんに試作してもらい、外周を施工してみました。どの程度効果が出ているかは、型枠をばらしてみないと判りませんが、楽しみです。もう少し幅を狭くしてつくるべきでしたね。板の上下運動で、今でも腕がだるいです。IMG_2598.JPG

 土台敷き用の墨出しをした際に、シートをめくったところです。基礎天端レベラーは、いつもながら精度の良い施工でした。シートを戻して、金曜日まではしっかりと養生期間をとります。

 月末の上棟に向けていろいろ準備中ですが、台風とかは遠慮願いたいものです。

2010.9.11

091018_1245~01.JPG

雑感

 9年前の今日9月11日は同時多発テロがあった日で、2973人もの人々が海の向こうで亡くなりました。前にも書きましたが当事者、親族者でも無い限り、受けたその苦悩は計り知れるものではありません。それを踏まえてですが、9/11という日はどうしても高校の時の、隣のクラスのある男のことを思い出さずにはおれません。

 卒業してから本当に久しぶりに、同窓会がとある健康ランドの宴会場でありました。仕事がおしてしまい、遅れて行った私は大広間に人だかりを見ました。そこにはナップサックをしょったまま、忙しげに色紙に何かを書いている人がいました。思わず聞いてしまいました。白状しますが、その時まで例の漫画を描いているのがあいつだと、私は全く知らなかったのです。高校を出てからは特に音信も無く、在学中も然程親しい間柄ではなかったものの、顔を合わせれば「おぅ~、オチケーン」と例の抑揚のある声で呼ばれていました。ちょこちょこ漫画みたいな絵を描いていたのは知っていましたが、本人は至って気優しくてノーマルな男で、それに比べたらクラスの連中や先生方のインパクトの強さはハンパじゃなく、キャラの立っている者ばかりでした。きっと作風にも多いに寄与したのではないでしょうか。

 同期の出世頭ということで、仕事やプライベートでも話のネタとしてずいぶん使わせて頂きましたが、去年の9/11、残念ながら還らぬ人となってしまいました。その1ヶ月後、同窓生と担任の先生が集まり、慰霊登山をするという企画に参加しました。現場で皆で花を手向け、輪になって献杯してきました。

 今年もまた9/11がやってきました。故人を偲んで遠い昔を懐かしむも、ありでしょう。11月、またゴルフにいこうと旧友からお誘いを受けました。

2010.9.9

IMG_2550.JPG

耐圧盤生コン打設

 9月9日、台風9号は朝のうちに回復して、浦和の現場は予定通り生コンを打設できました。前日は雨の合間を縫うように住宅瑕疵担保責任保険の配筋検査を受け合格、本日は打設前に生コンクリートの現場品質管理試験を受けました。
 連日の猛暑が一転して、今日は絶好の生コン日和?となり、場合によっては散水して水中養生するつもりでいましたが、その心配は無用でした。
IMG_2529.JPGIMG_2537_edited-1.jpg  生コンの現場荷受け時の検査要請は、以前大規模建築物で発覚したいわゆるシャブコンと言われる現場でのミキサー車への加水で、設計強度が守られていない事件から、戸建て住宅の基礎工事にも余波が及んだ経緯があります。
 ゆるい生コンと固めの生コンでは、作業性は前者のほうがはるかに楽ですが、言うまでも無く現場で加水したその時点でアウトです。鉄筋が細かく複雑に絡んでいる場合では、固めの生コンはバイブレーターをしっかりかけて突き固めないと空隙を生み、これも強度を損ねることになります。よって場面に応じた適材としての配合計画が大事になってきます。

 現場でテストピースを採り、4週間水中養生の後圧縮強度試験をすると、設計強度を上回る数字が出るのが常ですが、本来大事なのはテストピースの試験値ではなく実際の現場での基礎の施工管理なので、このあたりを履き違えては駄目なんですね。品質管理をした上でなのは当然ですが。

IMG_2559.JPGIMG_2558.JPGIMG_2564.JPG

 最後に道路を水洗いしている時、排水溝から明らかに出たがっている様子のカエルさんを発見。いくら水をかけても逃げません。逆に壁を登ろうと手足を動かします。鳶の若い衆がグレーチングをあけて手を差し入れると、しがみつく様につかまってきました。題してヒキガエルをヒキアゲル。
 今日からペットとして飼育するそうですが、でもこれって本当に良かったのかなぁ。

2010.9.7

IMG_2523.JPG

工場見学

 浦和の現場で使う杉の化粧材が、先週プレカット工場に入荷されましたので、加工打ち合わせを兼ねて建築士さんと見てきました。柱は吉野産(奈良県)で中低温乾燥、梁は松阪産(三重県)で高温乾燥としました。
IMG_2519.JPG 上小節という等級の割には、きれいな木肌でした。含水率を計測したり、杢目や通りをチェックしましたが、もともと多めに乾燥釜に材木を入れ、ヒビや割れが入ったものや、含水率やヤング係数の値が規定以下のものを撥ねた後の材木なので、特に問題はありませんでした。 化粧の杉の柱には背割りを入れてありますが、壁に隠れる杉の柱は高温乾燥なので背割りはありません。施工上は変化が少ない背割りなしの柱のほうが余り気を使わなくて済みます。が、材料本来の色香を楽しむのなら、背割りを入れた乾燥のほうが負荷を掛け過ぎなくて良いのです。乾燥方法の違いは見比べれば色艶の差ですぐ判ります。IMG_2525.JPG

 ふた間続きの間仕切りに、意匠も兼ねて納まる化粧太鼓丸太も、無節かと見間違うくらいきれいでした。不思議なもので削りを深くして仕上げたりすると、節が出てきたりするんです。

 プレカット工場は材木持ち込みにも快く対応して頂いているところです。米松の特一等の梁から化粧梁を選別したり、無理な注文にも付き合って貰っていますが、今の段階では会社名は伏せさせていただきます。あしからず。

2010.9.3

IMG_2516.JPG

鉄筋工事など

 3層目のジオフォームを布設して、いよいよ鉄筋工事です。強烈な影が映りこんで、ダブル配筋と見間違ってしまいそうですが、D13縦横@200のシングルです。これでも建物荷重に対して適当な設計であり、全く問題ありません。IMG_2494.JPGIMG_2508_edited-1.jpg

 塗り替え現場は補修と雨樋や霧避け屋根の塗装を廻って終了です。週明け足場が外れるのが楽しみです。お客様の気持ちまでリフレッシュしてもらえたら幸いです。

 新学期が始まって、(給食も始まり)やっと平穏な時間が戻ってきました。日中の暑さは依然そう変わりませんが、それでも夜はいくらか涼しい風と虫の鳴き声が感じられるようになりましたね。

milk_btn_pagetop.png